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オフロードの運転(初心者編)

オフロード走行という言葉から、みなさんはどんなシーンを想像されますか?泥んこ、でこぼこ、急斜面、造成された専用コースもあれば、主に海外で開催されているクロスカントリーラリー、そして毎年1月に行われるダカールラリーなど、一口に「オフロード」と言っても楽しみ方は幅が広く、奥深いものです。
今回は、オフロード走行の基礎と、日常のクルマ生活とのかかわりについてお話しします。

ドライビングポジションは

オフロードタイプのクルマは、ステップもシートも車高も高く、威圧感を感じるかもしれません。女性にとっては大きいというだけで不安だったり、車庫入れが心配だったりするでしょう。でも、乗ってみるとよくわかりますが、アイポイントが高く、フロントウィンドウの面積が大きいので視界がとても広いです。また、ワンボックスタイプなどは見た目のイメージより回転半径も小さくて、意外と運転しやすいのです。ただし、フロントの足まわり付近など、車高の低いクルマにはない死角もできますから、その点は注意が必要です。

ドライビングポジションは、腰をシートにしっかり押しつける感じで深く座り、シートベルトを締めます。ひざや両腕は軽く曲がる程度に、ブレーキ、アクセル、ハンドルを確実に操作できるよう、シートの位置を調節します。最近のクルマのシートは、前後だけでなく上下にもアジャスターで調節できるものが多いので、できるだけ目線が高くなるように設定しましょう。
ハンドルは、荒れた路面でも取られないようにしっかりと握ります。
ただし、今回は初心者編のため「しっかり」と言いましたが、いつもそれが正しいとは限りません。激しいオフロード競技では人間の握力よりはるかに大きな力がクルマにかかってきます。クルマの急激な挙動がハンドルに跳ね返ってきたとき、握った指を素早く離さないとケガをすることもあります。ですから、握りしめるばかりが良いとは限らないのです。「荒れた路面だからハンドルはしっかり握る」と決めてしまうのではなく、常に路面の状況を見て、どういうことが起きるかを予測しながら運転することが必要です。

タイヤの通る場所を意識する

でこぼこ、ぬかるみ、砂利、ガレキ、草木や丸太など、障害だらけのオフロードが目の前にあると想像してください。大事なクルマにできるだけ負担をかけないように、うまく通過したい場合、あなたならどうしますか。

人間が歩く場合と同じように、「あのぬかるみを避け、その砂利で滑らないよう、こっち側からアプローチを…」と、通るべき走行ラインをイメージするでしょう。みなさんは、スキーの「モーグル」という、コブだらけの斜面を滑り降りる競技をご存知でしょうか。あのコブの上を、一直線に突っ切る選手はあまりいません。コブをよけたり、その反動を利用したりして、できるだけ足にかかる衝撃が少なく、かつスピードを殺さないラインを読んで滑っています。
オフロードを走るクルマも同じです。ドライバーは4つのタイヤを自分の手足だと思って、いちばん進みやすいラインを探しながら走ります。でこぼこの角度によっては「ここはスピードを出すとクルマが跳ねそうだから、速度をうんと落として走ろう」などと、走り方のイメージもできてきます。
イメージどおりに動かすには自分のクルマをよく知っていないといけません。ライン取り一つにしても、タイヤの位置が自分(運転席)から見てどの辺りにあるのか、きちんと把握しておく必要があります。オフロード愛好者たちは自分のクルマを把握するため、本当によく練習しています。

それらの感覚を養うには、何よりもまずクルマに乗ることです。車両感覚が身についてくれば車幅や車長が体感的に「わかる」ようになり、車庫入れや狭い道路でのすれ違いも余裕で対応することができます。普段の運転の際も、路面状況を見ながら「ワダチがある。ハンドルを取られるかも?」、「路面が濡れている。滑るかも?」、「砂利が浮いている。すぐには止まれないかも?」、「でこぼこがある。速度を落とさないと底を擦るかも?」など、常に意識していると、判断力が磨かれ、様々なシチュエーションの対応にも役立ちます。
例えば、オフロードではどこからが路肩なのかわからない場合もあるので、オフロード愛好家には道路の隅々まで気を配る癖がついています。これからの季節、スキーやスノボに行くために雪道を走るときは、路面だけでなく道幅にも気をつけたいものです。端に寄せすぎると路肩に落ちる可能性があることもありますから、充分に注意してください。

上り、下り、段差越え

オフロードコースには、文字どおりひたすら坂道を上る「ヒルクライム」や、逆にひたすら下る「ヒルダウン」もあります。まっすぐに上るだけだからと、やみくもにアクセルを踏むとタイヤが空転してグリップを失い、前に進めなくなります。また、アクセル全開で上り切った先にどんな危険が潜んでいるかわからないので、上り切る手前で徐々にアクセルをゆるめる必要があります。下りでは、エンジンブレーキをいかにうまく使うかがポイント。傾斜がきつくなるほど、極力フットブレーキを使わない走りが求められます。

子どものころ、公園の滑り台を逆から上って遊んだことはありませんか? 最初は勢いよく駆け上がり、頂上近くになると足(クルマならアクセルによる駆動)のパワーをゆるめてスピードを落としました。そして、多分無意識のうちに体を前に倒し、手のほうに荷重を移動させたはずです。これは、ドライビングテクニックの「4つの摩擦円」の話にもあてはまります。クルマも原則は同じ。そして、乗れば乗るほど感覚は身についていくのです。

一般の道路でも、例えば地方の国道やバイパスなど、スピードが出やすい広い道路では、スピードに乗ったまま立体交差のゆるいアップダウンを通過することがあります。制限速度以内で走っているからと油断せず、上り下りの傾斜をきちんと意識して走ってみましょう。上りでは頂上の向こう側が見通せず、上り切ったところに思わぬ渋滞や障害物があるかもしれません。頂上付近に来たらスピードをゆるめて。また、長い下りでは気づかないうちにスピードが出るものなので、エンジンブレーキを積極的に活用しましょう。

オフロードを走るのに不可欠な「段差越え」は、ありとあらゆるシチュエーションとレベルがあり、オフロード愛好家のチャレンジ欲をそそります。
特殊なケースを除けば、通常は左右2輪を一度に越えさせることはしません。段差に対してクルマを斜めの角度で進入させ、1輪ずつクリアしていきます。道を横切っている溝があって、へこんでいる場合も同じです。どれか1輪が浮き上がっても、残る3輪が接地していればクルマは進みます。これを「3輪接地法」といいますが、ほとんどの人が日常でこれを実践しているのです。
例えば、道路わきの駐車場から一段低い道路に出るとき、道路に向かって垂直に出ようとすると、前の2輪が一度に段を落ち、段差で底を擦ってしまいます。けれども、たいていはどちらかの進行方向に向かってクルマを斜めにし、片輪ずつ道路に出るでしょう。もちろん、段差の高さに応じて通過する速度も調節します。小さな段差でも、勢いよく飛び出せばはずみで底を打ちつけますし、ひどい場合はサスペンションを傷めます。オフロードでもオンロードでも、クルマが「どう動くか」を常に意識することが大切です。

トランスファーの使い方

オフロード走行には、通常の2輪駆動車(駆動輪は前か後ろの2輪)より、やはり悪路に強い4輪駆動車(4駆、4WDともいいます)のほうが似合います。

クルマは4つのタイヤで車体を支えて走るのが基本ですが、路面の荒れたオフロードでは、どれか1輪が乗り上げたり、浮いたり、滑ったり、はまったり、いろいろなことが起こります。それでも3輪は地面(もしくは乗り上げている障害物)に接しているので、クルマは前に進むことができる、というのが先ほどの「3輪接地法」の基本です。

さて、4輪駆動車には、駆動力(トラクション)を前後に配分する「トランスファー」という装置がついています。クルマが3輪接地の状態でアクセルを踏んでも、浮いている1輪が空転していればパワーがすべてそこに行ってしまい、残りの3輪で前に進むことができません。ぬかるみや雪道でスタックしたクルマや、道路わきで脱輪したクルマを想像してください。このとき、空転していないほうの駆動輪、例えば前輪が空転していたならセンターディファレンシャルギヤをロックしてしまえば、脱出は容易になります。日常のドライブでこのようなケースは多くありませんが、知っていればいざというとき使える4駆装置の知識です。

パジェロなど、オフロード志向のクルマには、駆動力を確実に路面へ伝達する直結4WD、前後輪の駆動を最適制御するフルタイム4WD、スムーズなハンドリングや、環境に配慮した低燃費走行のできる2WDなど、状況に応じて選べる「スーパーセレクト4WD」機能がついていて、雪道や砂利道でも最適なモードが選べます。また、「ASTC(アクティブスタビリティ&トラクションコントロール)」機能が路面の滑りやすさに反応して、自動的に各タイヤのブレーキをかけ、クルマの挙動を安定させます。
オフロード走行の練習を重ねてやっとわかってくるようなことを、最新のテクノロジーが自動制御によっていとも簡単に実現してしまう・・・ドライビングインストラクターの立場としてはちょっと複雑な気もしますが、WRCやダカールラリーで培われた技術が市販車にどんどんフィードバックされているのです。「そんなにすごいの?」と思われたら、ぜひディーラーで操作方法を教わってみてください。


オフロードの楽しみ方は本当に様々ですが、現在はプライベートで「ダートトライアル」(略してダートラ)という競技に参加しています。ダートラは、未舗装(ダート、あるいはグラベルともいいます)の路面に設定されたコースを走ってタイムを競うという、いたってシンプルな競技です。

最近の市販車は便利になり、いろいろなことを自動的に制御してくれます。「なぜこのような動きになるのか」をドライバーが意識しなくても、ある程度はスムーズに走ってくれます。
しかし、余分な装備を可能な限り取り除き、クルマ本来の基本的な性能だけを使って走るダートラ競技は、走るも転ぶも、すべては自分(ドライバー)の技術次第。自分とクルマが一心同体となって思いどおりに走れたときの喜びと達成感は、言葉では言い尽くせません。

ダートラは、初心者の方、そして運転に苦手意識を持っている方にこそおすすめしたい競技です。初めは怖くて、砂利や泥んこで「やだー!」と思うことでしょう。けれど、やればやるほど、乗れば乗るほど、クルマのことがわかってきます。スピードを落とさずに曲がろうとすればどうなるか、クルマが滑ったらどうなるか、この坂で適正なギヤは何か、タイヤのグリップ力の限界はどこなのか。
「クルマの学校」でも、シートにしっかり座って、前をよく見て、路面を読んで、シートベルトを締めて、音を聞いて…と、いろいろな「言葉」を使って講義をしていますが、ダートラの練習をすると、それらの言葉の意味するところが全部「体感」でわかるようになります。

意外と簡単!? B級ライセンス

国内B級ライセンス(略してBライ)があれば、ほとんどの競技会や走行会に参加できます(※)。Bライを取得するのは意外と簡単。JAFやJAF公認クラブなど多くの団体が各地で講習会を開催しており、普通運転免許を持つ人は誰でも受講可能です(オートマ限定でも可)。実技試験はありません。
※イベントによってはライセンスを必要としない「クローズド競技」もあります。

運転に苦手意識がある方は、日ごろからとにかく乗って乗って、クルマに慣れてください。ウィンカーもワイパーもどんどん使って、必要と思った瞬間には手が勝手にスイッチを入れている、というぐらい慣れることが、運転を楽しく(ラクに)するいちばんのコツです。
ワイパー操作などはほんの一瞬ですが、気を取られた一瞬に限って子どもが飛び出してきたり、急にスリップしたり。事故は、2つ以上の要因が重なったときに発生率が高くなります。たくさん乗って、愛車を「自分の体の一部」のように思っていただければインストラクターとしてはとてもうれしいです。

競技用の車両はいろいろありますが、安価なものでは15万円ぐらいから購入できますし、ダートラの場合はラリーとは異なり、コ・ドライバー(助手席に乗るアシスト要員)も必要ありません。練習にライセンスは不要で、初心者向けのスクールやクルマをレンタルできる専用コースもあります。安全なコース内で、思いっきりアクセル全開! 思いっきり急ブレーキ! 激しい横Gを感じながらザザーーーッと車体を滑らせコーナーをクリア! 日ごろのストレスがばかばかしく感じるほどスッキリしますし、座っているだけのジェットコースターより断然楽しいですよ。

ラリーも一般的な競技ではないと思われがちですが、それはWRCや全日本選手権などのイメージでしょう。最近では、コマ図を使用しながらのクイズラリーや家族でも楽しめる計算ラリーなどがあります、身近な雰囲気で、競技の一歩手前で楽しむことができるのです。特にクロスカントリータイプの計算ラリーは、とても人気だそうです。車両も様々で、マイカーで参加も可能です。こんな方法で、クルマに乗ることをもっと楽しんでみませんか?

※ラリーでの走行と一般の走行は異なります。ご紹介している内容は競技走行であることをご理解の上、公道では行わないようにしてください。

 
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